新麦コレクションの埼玉県産農林61号小麦(有機原料使用)「61 sixty-one 全粒粉」がグロワールに届きました。この採れたて小麦を自家製酵母パンに使用しています(食パン各種には使用しておりません)。また、秋のパン「干し柿とクリームチーズのエピ」にも使用しています。

埼玉県産農林61号小麦(有機原料使用)「61 sixty-one 全粒粉」

埼玉県産農林61号小麦(有機原料使用)「61 sixty-one 全粒粉」
農林61号の説明文をNPO法人新麦コレクション理事長でパンラボ池田浩明さんに送って頂いたので掲載させて頂きます。
農林61号 SIXTY-ONE
61 SIXTY-ONEの由来は、埼玉で長年栽培されてきた品種「農林61号」。新しい品種に取って代られつつある「老兵」(1944年育成)です。古代小麦やスペルト小麦が注目される中、なぜ”ちょっと昔の品種”なのでしょう?
1940年代といえば農薬も化学肥料も本格的には使われていなかった時代。だから、自然な栽培と相性がよく、かつ”古代小麦”より栽培容易なのが特徴。農薬不使用・化学肥料不使用の農業を広める上で、役立つ品種なのです。こうした穀物を、人類の遺産として守ろうというのがアメリカで提唱される「へリテージグレイン(Heritagegrain)」の考え方。農林61号はいわば「The Japanese heritagegrain」です。
SIXTY-ONEのもうひとつのコンセプトは、埼玉の環境を守り、育てていくために、小さくても確実な貢献をしたいというものです。小麦を育てるのは埼玉県小川町・ときがわ町の農薬・化学肥料不使用の生産者。微生物や雑草とも共生するため、慣行栽培の畑より、CO2削減効果が高くなります。栽培するのは、新たな就農者を呼び込み、耕作放棄地を農薬・化学肥料不使用の農地に変えたいという志のある農業者たち。彼らへの応援は、地域の環境や農業を守り育てることへの貢献になります。
かつては、化学肥料も農薬も、ふすまや胚芽を完全に取り去るロール製粉もありませんでした。すべての小麦粉は農薬・化学肥料不使用、石臼挽きで作られていたのです。残留農薬の心配もなく、食物繊維や栄養素も失われない小麦粉が食べられていました。ふすまや胚芽入りの小麦粉は、、油脂分が多く、酸化しやすいため、地域の製粉所で製粉された挽きたてが当たり前。輸送機関が未発達で、常に地域で消費されていたのです。小麦の代金や、農薬や化学肥料の代金として、お金が地域外に流出することもありません。栄養素も農業も経済も地域内で循環していたのです。61 SIXTY-ONEはこの循環を現代に取り戻すプロジェクトです。
生産者 (1) 農事組合法人下里ゆうき
世界でもめずらしい、一集落すべてが農薬・化学肥料不使用の農業を行う小川町下里。農林水産祭「むらづくり」部門で天皇杯受賞など先進的な取り組みとして知られてい下里地区5軒の生産者が「農事組合法人下里ゆうき」を結成、米、麦、大豆を共同で機械化・効率化を行っています。米、麦、大豆をローテーション。田に水を張ることで雑草を絶やし、大豆で窒素を土中に固定、小麦の根張りで土をやわらかくし、と3つの作物が相乗効果を挙げます。チップなどを原料に堆肥を作り、土づくりを行っています。「農あるくらし講座小川町有機農業入門コース」を実施することで、新規就農者を育成。町をにぎやかにし、耕作放棄地をなくしていきたい。そして、取り組みを全国に発信することで、全国に有機農業を広げていきたいというのが将来の目標です。
生産者 (2) TOFU
TOFUの栽培する61SIXTY-ONEを見学するのは簡単。ときがわ町にきた人の多くが寄る「渡辺豆腐店」の脇に畑があり、おいしい豆腐を買うついでに見ればいいからです。ときがわ町の生産者5軒が集まって結成、大豆と麦を共同で栽培。「農薬も化学肥料も使わない穀物のおいしさはピカイチだと思います」。 渡辺豆腐店で使われる、在来種の大豆「青山在来」を栽培。その裏作として、農林61号を 育てています。大豆には窒素固定効果があるため、特別に肥料を与えなくても育ちやすい。地域の酪農家の牛糞堆肥や、植物性の堆肥を使うこともあるが、基本は無施肥。夢は若い新規就農者を招き入れ、効率化や機械化を進めて、耕作放棄地を加えて、さらに多くの農地を農薬も化学肥料も使わない畑に変えていくことだ。
特徴
- 【フレッシュ】地域の製粉会社、材料問屋と連携。挽きたてを最速で納品。
- 【石臼挽き】熱をかけず、少ロット生産。風味を最大限に引き出す製粉です。
- 【全粒粉】大ふすまを取り除いただけで、ほぼ丸ごと挽き混んでいます。食物繊維や微量栄養素、上質な脂肪などを含んでいます。
- 【農薬・化学肥料不使用】雑草を手で取り除くなど手間隙をかけて栽培。
- 【トレーサビリティ】地元だからいつでも畑を見られる。生産者と出会える場見学会も実施予定。
- 【風味】農林61号がふすまに持っている酵素は小麦の脂肪分を酸化させ、豊潤な香りを作農家の蔵を思わせる穀物の香り、黒ゴマ・白ゴマやエゴマを思わせる香り、植物的なさわやかさを含み、食べ疲れしないやさしい甘さです。
- 【デンプン・グルテン】農林61号は、軟質の中力粉。多くの国産品種と異なり、通常アミロースです。老化が早いため、湯種製法と相性があります。
- 【カビ毒検査済み】「デオキシニバレノール」0.04PPM
- ※法定基準値 1.0PPM
- ※下里ゆうき/TOFUともに

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