2019年07月03日(水)

【夜中の呟き】twitterにパンドグロワールのことを書いてみました

夜中の呟きです。twitterでパンドグロワールについて書いてみました。

実はパンドグロワールをデニッシュ食パンだと思って見てなかったんです。パンドグロワールは「パンドグロワール」なので。ブリオッシュの様なリッチな生地をパネトーネ種でじっくりじっくり熟成させる事64時間(できるまでにかかった時間)バターを織り込んでいますし、とても手間隙と時間のかかる食パンです。なのでとても原価が高く、そのせいでうちは儲かっていません(笑)。商店街なのであまり高いパンを売れないのでお値段もとてもリーズナブルです。

だから最近の食パンブームを不思議な気持ちで見ています。グロワールは来年60年。パンドグロワールは途中で生まれてずっと進化をしてきました。改良に改良を重ねより良い方に向かう様にしたのです。番組で取材に来られた時デニッシュとクロワッサンの違いについて詳しく聞かれたとき「そういえばデニッシュの生地みたいなものだ」と思いました。

バターを多く含んでいて食パンケースに入れられて焼いてる時に中のバターの一部が溶け出しそれが表面(特に底面)を揚げ焼きの様にカリカリにするのです。塩パンの美味しい理由と同じです。塩パンも溶け出したバターで底が揚げ焼きの様になりカリカリなのです。そのためパンドグロワールの皮はとても美味しく内層と全然違うのです。

内層は卵が沢山入っているので黄色味ががっていて焼きたてをカットすると中がキラキラと潤っています。売り場では茶色い塊の様に見えなくもないパンドグロワールですがカットすると全く違う色なのです。だから初めてご覧になるお客様は1.5斤カットなしと中が見えるハーフサイズが並んでいてもこれが半分だとピンとこない方もおられるのです。ハーフの方が売れるのはその為もあるかもしれません。この様に見た目のギャップがあるパンドグロワールですがクラムとクラストの差を同時に楽しんで頂ける食パンでもあります。

パンドグロワールのもう一つの魅力はなんといってもパネトーネ種です。パネトーネ種はイタリアのコモ地方の風土や自然が育てた酵母と乳酸菌の複合体の自然発酵種で、その土地でしか中々育てるのは難しいらしいのです。ネットでパネトーネ種を顕微鏡で拡大したものを見ると酵母に酵母より小さな乳酸菌が沢山ひっついてるのが見えます。自然発酵パネトーネ種の中には酵母、数種の乳酸菌、酵素が仲良く共存しあっていて、それが生地の熟成期間中じっくりと生地を改良していってくれます。

酵素は生地の進展性を良くしたり釜伸びを良くしたり、乳酸菌は生地のphを下げ、焼けたパンが傷みにくく日持ちする様にしてくれたり、焼成後も旨味を残し、独特の芳香を醸し出してくれます。袋を開けて顔を突っ込みスーっと香りをかぐと、デニッシュ系の良い香りと共に少し酸味を帯びたレアな香りがしますがこれが乳酸菌発酵の香りなのです。

グロワールは食パンが10種類ありますが、どれも封を開けて顔を突っ込み香りをスーっと嗅ぐと全く違う香りがします。パネトーネ種の食パンは4種類ありますがどれも少しずつ違った芳香を醸し出していますし、みなみ食パンは自家製酵母と熊本産小麦の香りがしますし、金ごま食パンは香ばしい炒りごまとリッチな太白ごま油の香りが食欲をそそります。リーンな食パンの香りを嗅いでからパンドグロワールの香りを嗅ぐと独特な芳香が探せると思います。

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